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劇団四季オペラ座の怪人

オペラ座の怪人履修歴
・劇団四季版
・2004年の映画
・宝塚版
・城田優版
・1943年の映画

劇団四季のオペラ座の怪人を見るのは今回でおそらく5か6…?7?回目くらい たぶん
今回も超楽しかった! 初見並みのテンション


プロローグ

オークション競売人「ひとたび電気をつければここに漂う幽霊たちもたちまち吹き飛ぶでしょう!」舞台ど真ん中にデカデカと置いてあったシャンデリアにかかっていた布が剥がされバチッバチッ青い電撃が走り煙が立ち込めデデデデデー!!デデデデデーーー!!!!のメインテーマイントロで電飾がついたシャンデリアがぐわんぐわん左右に揺れながらじわ~っと客の頭の上を登ってくる きたきたきたー!!のっけからテンション最高潮にぶち上がる 舞台全体にかかっていたグレーの汚れた幕も剥がれ落ち、豪華絢爛なアンティークゴールドの舞台装飾が現れる もうここだけで元取れる


イル・ムート

怪人のしわざでカルロッタの声がカエル風に
支配人「10分休憩、その間バレエをお楽しみください!」
てんやわんやのバレエ中、首吊り死体が舞台にぶら下がり劇場が阿鼻叫喚
クリスティーヌとラウルは怪人から逃れるためにオペラ座の屋上へ(天井に何もなければ首を吊られることもないから?) クリスティーヌとラウル、明確に歌って言葉にして相思相愛の仲になる。シャンデリアの下?のゴンドラ…?から怪人が現れクリスティーヌに裏切られたと恨みつらみ。役者さんずっとそこに隠れてたんだ大変だ
テテテテテーン!!メインテーマイントロをBGMにコメディ舞台が終演。幕の合わせ部分から客前に出てくる役者たち。少し遅れてクリスティーヌも出てくるそこにシャンデリアドゴーン!クリスティーヌに当たるやろが!!!いや当てるつもりでやってるのか…ラウル?がさっとクリスティーヌを抱えて捌けて助けてくれた
え?マジで10分?のゴタゴタの間にラウルと歌って婚約?したってこと!?
首吊り死体まで出てきちゃったのにさすがに10分休憩で済むはずないか でもこんなことが起きちゃったら普通は舞台は即刻中止、チケット払い戻しが妥当なのにクリスティーヌ代役にして続行 役者・支配人たちの情熱がすごいのか負けん気なのか払い戻し絶対したくないがめつさからなのかプロのプライドなのわからん


シャンデリアが落ちたら20分の休憩 そうかシャンデリアの準備あるからここで休憩か
手洗いから戻ってきたらシャンデリアもう上に戻ってて電気もついてた 登るところ見たかった~


マスカレード

前回見た時は仮面つけて踊ってる人たちの中にファントムが紛れてると思って、ファントムっぽいやつ誰だ…て探しまくって結局わからないまま階段一番奥からファントムが出てきた。ので今回は他も見つつ階段の最奥を注視してみたら、階段最奥の人がマントを大きく広げて持って左右に身体ふりふり(かわいい)……あ!マントの後ろに誰かいる!→マントの人がさっ!と向かって右側に退く→後ろにしゃがんでたファントム!!!!が立ち上がってデデデデデーン!!! なるほど!!そうなってたのか!別にダンスには紛れてなかったんだ
クリスティーヌとのやり取りの最中、最後尾の人またマントを広げる。なんで?→クリスティーヌの目の前でファントム消える!(ここ仕組みがよくわからなかった)→マントの人の後ろからまたファントム!階段駆け下りて高笑い

消える仕掛けは他の感想ブログを見てみたら、
「バッと煙が出てファントムがマントを翻した瞬間にファントムがいた場所を囲うように他のキャスト達が集まる→床が抜けてそのままファントム舞台から去る」
らしい


クリスティーヌからのキスの後ぎくしゃくするファントム デッデ…デデデッデ……静かなドラムだけが続く ここから泣けてくる 「出て行け!」あたりからいよいよ涙が出てくる

いろいろな考察があるけど、私的には初めて得た他者からの真心と愛にキャパオーバーして、まぶしい、もう見たくない!になってしまったのかなあ…?と思ってる さすがに幼稚すぎるかもだけど キスしてもらったことでやっとクリスティーヌの幸せを考えられるようになったとか、クリスティーヌから与えられた愛は恋情ではないと気づいたとか、そういうロマンチックな解釈も好きだけどこの時点のファントムにそこまで人が出来ているようには見えなくて、ポムじいさんの「すまんがその石をしまってくれんか、わしには強すぎる…」状態になってるのかなと今考えたらそうなった

一緒に見た人は「ずっと泣かなかったけど最後仮面だけが椅子にぽつんと残ったところでダーッと涙が出たもう理屈とか抜きに…」って言ってた わかる


その一緒に見た人の「なぜファントムは他の人じゃなくてクリスティーヌを選んだのか?」着眼点に衝撃を受けた。何回も見た割に一度もそこ考えたことなかった
その場で出した私なりの答えは「一番洗脳しやすそうだから?」最悪な回答 でも改めて考えてみても当たらずといえども遠からずなのでは
クリスティーヌがファントムに魅せられるのはわかる 2004年映画版の解釈も入るけど、死に際にお父さんが「天国に着いたらお前に音楽の天使を送る」→7歳、寄宿生としてオペラ座に入団。夜、オペラ座内のチャペルでロウソクを灯して父にお祈りしてるとファントムが現れて歌を教えてくれる→あ!音楽の天使だ! たぶんこう 7歳頃ならするっと信じてくれそうだし

一方ファントムの方は音楽の才能があって心に付け入りやすいのなら誰でも良かった という言い方はアレだけど、最初は同情と自分と同じ孤独な子なんだっていう共感と、この子に歌の稽古をつけてみたい!興味や一流の歌手にしてあげたい奉仕の心(ついでに自分が育てた歌手を舞台に立たせてカルロッタや支配人の鼻を明かしてやりたい自己顕示欲もそこそこデカかったはず)、でも真に大事なのはファントムとクリスティーヌが過ごした時間であり、レッスンを通してクリスティーヌの信頼をファントムが勝ち取るまでの積み重ねであって、だから始まりやきっかけってそんなもんじゃないのか

たとえばクリスティーヌがもし男の子だったとしても自分を信じてくれて才能があって孤独を癒やしてくれるのであればファントムは目をかけて立派な歌手に育て上げた…と思う…恋愛感情は持たなかったかもしれないけど。だからファントムからクリスティーヌへの親が子に注ぐようなストルゲーの愛情・父性愛みたいなものがまずあって、クリスティーヌが7歳の少女から大人の女性に育ったから結果的に恋”も”したのであって、恋情は後から着いてきたのではないか。クリスティーヌが男の子だったら私が育てた最高の歌手!だけで意外と穏便に済んでいたのではないか いやどうだろう 幼なじみの女の子と再会しました♡結婚します!したら裏切りと捉えてやっぱり激昂するかもしれない…「自分ではない者を選んだ」がファントムの怒りの原因なので
クリスティーヌが男の子だったらifを考えてたら恋情は後付説の補強になってしまった じゃあ採用

なんなら自分の孤独を癒やしてくれるのなら歌の才能すらなくてもいいのかも たとえ歌手として大成するのは無謀なレベルの音痴だったとしてもファントムなら別の道、脚本や作曲や演出や衣装デザイン等、歌以外の才能を見出して一流の職人に育て上げてくれるかもしれない あ~それ見たいな

クリスティーヌに歌を仕込んで一流歌手に。そこにラウルが現れてクリスティーヌと婚約、ふたりを素直に祝福するファントム(違和感ばりばり)→音楽の天使のレッスンを卒業し、独り立ちしたクリスティーヌは引き続きオペラ座でプリマを務める→地底湖でひとり過ごすファントム→オペラ座寄宿舎に身寄りのない子どもが入舎してくる→孤独な子に近づき、ストーリーテラーの才能を見出したファントムは一級のオペラ作劇家として育て始める……教育とリリースを繰り返すオムニバス形式のオペラ座の怪人。
クリスティーヌを始め、やがてオペラ座を牽引するのはファントムの息がかかった弟子たちばかり。
ここは怪人ファントムのオペラ座!

平和だ… ファントムが寿命でもう危ないって時にクリスティーヌや今まで育ててきた子たちが集まって看取ってくれる めちゃくちゃ平和 娘息子孫たちに囲まれるおじいちゃん
というのは妄想だから楽しいのであって(実際にジャンプルーキーとかで連載されたらうきうきで読むけど)、自らの足でオペラ座から出ていくファントムで物語が〆られている以上、オペラ座の地下に居続けることになっちゃうこの妄想はファントムのその後の人生の否定にもなるかもしれない

オペラ座から出ていった後のファントムは自殺というほど強い言葉ではないけど、クリスティーヌの愛を得て満足してこの世に未練がなくなった結果自ら死を選ぶくらいはしそうだなと思っていたので、2004年の映画版ではなんならクリスティーヌよりも長生きしてお墓参りしてて良かった
クリスティーヌは60代で死に、ラウルも車いすでヨボヨボなのにふたりより一回り二回り?年上のはずのファントムは健在 もしかしてオペラ座で怪人を名乗っているうちに本当に「怪人」になっちゃってて寿命の概念も作用しなくなってたとか?ただひたすらめちゃくちゃ健康なだけ?地下暮らしの超インドアなのにムッキムキだったしな。それは俳優の体格がそうなだけ いやそもそもガリガリなら力仕事の大道具主任を首吊り死体になんてできないだろうからやっぱ鍛えてたから長生きなのかも


ファントムが自分で外すと普通に仮面だけ外れるのになんでクリスティーヌが仮面剥いだら一緒にカツラまで取れるんすか…?クリスティーヌが取ろうとする時だけ何故かカツラは仮面にくっついてる?そんな馬鹿な

歌いながらファントムがクリスティーヌの顔を手のひら全体でべちゃーってするやつおもろいけど何?


ラウルと愛を歌いながら船で出ていったクリスティーヌがわざわざひとりで戻ってきてファントムが握らせた指輪を返すのトドメ・追い打ち・最後の一撃感あって若干おもしろいけど、さすがにそこまで意地悪な脚本は書かないだろうというメタ視点で改めて見てみるとこれって

指輪の流れ
ラウルと婚約し、指輪を贈られたクリスティーヌ。指にははめず、チェーンに通して首から下げている=まだラウルを選ぶ決心がついていない現れ?
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ファントムが引きちぎり、クリスティーヌを地底湖に連れ去り強制的にラウルと引き離す
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地底湖でファントムがクリスティーヌの左手薬指に指輪をはめる。ラウルが贈ったものなのに。この作品では「指輪の出どころ」はもはや関係ない些細なことであるという制作陣からの示唆?
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クリスティーヌはラウルを選んで地底湖から出ていった。が、ひとりで引き換えしてきて、ひとりきりになったファントムに指輪を渡した
ファントムがクリスティーヌの指に指輪をはめたから勘違いしそうになるけど、本当は返したのではなくクリスティーヌからファントムに「贈った」
ラウルに向ける愛とは違うが確かにクリスティーヌはファントムにも愛を向けていて、その親愛の情を示した のがあの指輪

ということなのかな わかりま…せん>🦒


公演プログラム

マスカレードの写真が良い、豪華で怪しくて美しくてかわいい
ファントムの素顔をじっくり見たいと思ったけど一枚も写ってなくて、でもがっかりよりも納得の方が上回った ファントムが隠したがった仮面の下をプログラムに残すのを劇団四季は良しとしなかったんだな


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