Skip to content

魔笛_METビューイング

もともとウマ娘のオペラオーさんが大好きで、たくさん育成して殿堂入りさせてた。可愛くて格好良くて愉快で明るくて王者の風ビュウビュウ吹かせてるオペラオー大好き。
そこから史実のオペラオーにも興味を持ち、オペラオーと和田竜二の数々の伝説を読んでひたすら感服していたんだけど、トプロちゃんアニメを通ったせいでますますうおお!オペラオーさん!になり、さらに、オペラオーが好きなオペラというものを見てみたい!と思うようになった。
「日本 オペラ 上演」というようなキーワードでぐぐって、会場(上映館)が近い&日本語字幕&タイトルは知っている超有名作品の「魔笛」ライブビューイングがあったので見に行った。
https://www.shochiku.co.jp/met/program/4681/

あと単純に夜の女王の「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」が大好き!


「魔笛(まてき)」だとおどろおどろしいニュアンスだけを感じたけど、司会は「マジカルフルート」と言っていて、そうか、マジカルフルートを直訳すると魔笛になるのか、なるほど…と納得すると同時に、なんか急に魔法少女の変身アイテムような印象を受けてしまった。日本で生まれ育ったオタクの感性では「マジカル」はだいぶメルヘンな感じ

演出が斬新だった!
舞台の右側に効果音ブースがあって、アーティストが舞台上の人々の動きをじっと見ながら軍手を振って鳥の羽ばたく音をさせたり、瓶を叩いたりして、リアルタイムで効果音をつけていく。
左側には黒板ブースがあって、リアルタイムで表題や背景や人物名テロップを書いて、それを舞台の背景に映し出す。
飛ぶ鳥はアンサンブルの人たちが2つに折った楽譜?を片手でぱたぱたさせて表現。
こういうのアリなんだ!ユニークで面白かった
タミーノはジャージにスニーカーで現れて、三人の侍女(迷彩柄の上下)に服を剥がされてからはTシャツに半ズボン(劇中人物からは下着扱い)だし、パミーナはシンプルなTシャツワンピース。全然舞台衣装っぽくない、ユニクロとモンベル。現代訳だ。侍女はデジカメでタミーノを撮るし、スマホでタミーノにパミーナの写真を見せるし、現代人だった
パパゲーノの顔や髪、衣装のフン害は本気出しすぎでアップで見てもヒキで見てもちょっと気持ち悪かった。加減して

舞台上には巨大な板が吊り下げられていて、水平の時は中ニ階のようになってそこに立ったり、上に這いつくばってしがみついたり、角度をつけて坂を表現して歌いながら登ったり降りたりしてた。
水の試練ではタミーノとパミーナがワイヤーで吊り下げられていたけど、それだけ。メインビジュアルにもなってるし、なんかもっとビュンビュン飛んで空中ダンスでもしてくれるのかと思った。タミーノが空中でゆっくり後転したのはすごかった!体幹すごい

歌の方は、タミーノが歌い始めた瞬間が衝撃だった。うますぎる。
当然みんなめっちゃうまいけど、夜の女王のアリアが一気に圧巻して塗りつぶしていくさまはしびれた
なんかストーリーが支離滅裂で真面目に集中できないのと眠気が襲ってきてずっとぼんやりで見てたけど、「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」が始まる気配で、きた!目がカッと冴え、聞き終わったら満足してまたダレてしまった
杖をついて、杖と手をガクガクさせながら歌い、力尽きて車椅子に倒れ込んで侍女が連れ帰る。この公演の夜の女王は今にも死にそうな御老体で、死ぬ前にせめて仇の男・ザラストロを娘に殺させようとしていて、それだけで命をなんとか持ちこたえてる印象だった。
最後タミーナとパミーナが結ばれた時に急に笑顔でザラストロの頬にキスしてザラストロもニコニコだったけど、あれってあの時点でカーテンコールの範囲で即役者に戻っていたの?それとも雑なハッピーエンド?ハア?
原典を読んでみたら、夜の女王は最期は消えておしまいなのであそこは役者として共演者に向けた仕草なんだろうけど、早すぎっていうか雑 ヒーローとヒロインが抱き合ってハッピーエンドの真っ最中なんですけど!?カーテンコールフライングしてるじゃん 自由すぎておもしれ~

困った時に助けてくれる魔笛をタミーノが吹く時、音楽隊のフルート奏者にうやうやしく手渡して吹いてもらうのが二人羽織みたいで面白かった。アニメでたまにある歌手キャラアイドルキャラの声優と歌唱が別なのを舞台でやるとこうなるのね
パパゲーノが魔法の鈴を鳴らす時も、小さいおもちゃサイズのピアノ(で鈴の音を奏でている)を演者に弾いてもらってた 終盤はピアノ演者が席を外している?隙にパパゲーノがピアノ乗っ取り、コーヒー片手に演者が帰ってくるもパパゲーノがさわらせるかよ!とピアノの前から退かない茶番が挟まってた
題名に冠しているわりには魔笛の出番が少ない… 吹いたら敵の集団がうきうきしちゃって歌い踊ってタミーノを取り逃がしたのは、ミュージカル演出(音楽が始まれば演者は歌い踊らなければならない)を逆手に取ったようで面白かった

パパゲーノが、孤独だ~彼女欲しい~歌いながら客席に乱入。気に入ったお客の女の子にアイコンタクト。黒板ブースに行って、黒板に電話番号を書いてアピール。おもろい
それからパパゲーノとパパゲーナが結ばれる歌、子どもをたくさんつくろう!と歌いながらふたりがどんどん服を脱いでいって、最後仰向けに寝たパパゲーノの上にパパゲーナが乗っかって座って、どう見ても騎乗位そのもので笑った。ここは現地のお客さんも一番笑ってた

ストーリーは、ちょとわかる、ほぼわからん。難解というのもそうだし、さらに行き当たりばったりの印象だった。もしくは、後から振り返ってみればシンプルなストーリーだったのに、肉付けしまくったせいでむちゃくちゃになっちゃった♡みたい。超展開の上に展開スピードが早すぎる。かと思えば、似たようなことの繰り返しが続いたりして、進む時はめっちゃ進むが進まん時はちっとも進まん。緩急があるとも言える。最中、これジャンプで連載してたら打ち切りだよ…とアホみたいな感想を持ってしまった
これ言うのナンセンスだけど、みんな惚れっぽすぎる。会ったこともないお姫様を熱烈に愛して試練の旅に出る王子なんなんだ。会ったこともない王子が私を助けにきてくれてる!好き♡はまだわかるが、王子に無視された悲しい、母にもらったナイフで自殺しよ…は思い切りが良すぎる。パパゲーノも正体不明の女と出会って即合体だし、パパゲーナはそもそも人間なのか?どこから湧いてきたんだ!?
でもこれってロミオとジュリエットやシンデレラと王子様にも言えることだから、おとぎ話にいちいちつっこみ入れて無粋よね でも今回の魔笛は現代風だからァ…なんか気になっちゃってェ…コテコテのファンタジー衣装や舞台装置なら多少は気にならなかったと思う

なんか、大衆ウケを狙った作品だけあって?、作品を通して伝えたいこと、教訓やメッセージみたいなものは特に見えてこない。フリーメイソンのプロパガンダ作品として書かれたらしい…と知ると、あ~ザラストロがメンバーでない夜の女王から娘取り上げたり、夜の女王の夫から力取り上げたり、王子であるタミーノを陣営に取り込んだりするのは権威へのアンチテーゼや国家の要人も組織に入れってことぉ?と思ったりはした。ただそれを知らなかった初見では、一流歌手の歌唱と素晴らしい演奏と斬新な演出を楽しむ舞台だった。説教臭くないところはいいけど、もう少し筋を整理して納得させて欲しい。モーツアルトさんと脚本家さん今からでもなんとかなりませんか?頼みます
とはいえ1791年に作られたオペラを2023年に見て話がめちゃくちゃじゃん!とか言うのもかなりアレ

反省
一瞬?寝た…😫
炎天下での移動での疲れ+しっかりしていてふかふかの映画館の椅子+空調涼しい+暗い+心地よい音楽と歌声の相乗効果で寝た。起きたらさっきまでいなかった男(ザラストロ)のおそらく初登場シーンだった。
ああ~
まあ夜の女王のアリアが聞けたから良し!


当然すべてのオペラがこうではないだろうけど、今回見た魔笛は、歌と音楽は素晴らしいがストーリーは…?という感想だったので、オペラをたくさん見てこなしているオペラオーちゃんのオペラに対する貪欲さ、教養の豊かさ、面白がれる感受性の高さの一片を知れてよかった。同時に、お手軽な娯楽が溢れまくった現代を生きる中学生でこんな難しくて仰々しいものが大好きで自分でもオペラ書いてるってやっぱオペラオーちゃんちょっと変わってんなあ!とも思った。好き♡(ドトウちゃんと)結婚して♡
METオペラは毎年11月~7月にかけて日本でライブビューイングすると知れたから、次はトプロアニメ1話でオペちゃんが引用してた椿姫が上映されてたら見たいな


終わってから映画館近くの道路沿いの店でジェラートを食べたけど、入り口に扉がなく道路に開けてるタイプで、かつ飲食スペースは入り口すぐそばだったから外の熱気をダイレクトに感じた
アールグレイと抹茶ピスタチオのジェラートはおいしかったけど、ジェラートおいしい<<<<<<<<ファッキンホット で上書き強制終了になっちゃって草 口の中だけヒエッヒエで頭と体は灼熱 涼しくなったら改めて行きたい
夏はイベントが多いのに、お出かけして遊ぶことが本当に困難な季節になってしまった!8月の予定も楽しみだけど外には出たくねえ~…😫